ガンとプロポリス
毎日2分15秒ごとに1人が死亡しています。
これは、毎年、死亡率で第1位を占めるガンの統計が示す冷酷な数字です。
ですから“ガン”と聞いただけでも、恐れられているのです。
しかもガンは体のどこにでも発生し、それぞれのガンは発生臓器によって、それぞれガン細胞の種類が違うので、一定の治療法では解決できないという困難なものです。
しかし現代医学の進歩はガン制圧に向けて飛躍的な発展を遂げ、強力な武器を手にしました。
その治療方法を挙げてみます。
・早期発見、早期治療
・根治手術
・抗ガン剤治療
・放射線治療
・免疫療法
・温熱療法
そのほかにも次々と新しい技術が研究されて、確実にガンを追いつめています。
たしかに現代の医学はガン攻略に向けて着実に進歩してきましたが、やはり限界はあります。
早期ガンの段階であれば、医師も処置をしたあと「これで大丈夫、100%近く治ります」といえるのですが、それより進行したガンになると極端に治癒率が低下します。
その理由は、手術が成功したと思っても目に見えないリンパ腺への転移は否定できず、そのためにいつ再発・転移を起こしてもおかしくはないからです。
これは医学統計の数字からもいえます。
ですから、ガンの場合は無事に5年を経過しないと治癒したという判定が出せません。
ガンの統計で“5年生存率”を調べるのもそのためです。
では、どうしてガンはそんなに治りにくいのでしょうか?
いろいろな理由がありますが、何よりもまず、ガンは痛くも痒くもないのが特徴だからです。
なんらかの症状がでたときは、進行ガンですでに手遅れのことが多いのです。
さらに、ガンの治療に用いられる手術、抗ガン剤、放射線は、すべて免疫力(抵抗力)を低下させる副作用がありますし、そもそもガンそのものが免疫抑制作用を持っているので困るのです。
中でも、その最たるものはガンの根本的な原因がいまだに解明されず不明だということでしょう。
原因不明だから特効薬もなく、決定的な治療手段もないのです。
ガン手術とプロポリス
“ガン手術”それは凄絶を極めます。
ガンの細胞は周りに根をはるのが特徴なので、腫瘍だけをとってもダメなのです。
正常な部分も含めて広く摘出しなければなりません。
これが悪性腫瘍の恐ろしいところです。
さらに、それだけではありません。
進行したガンの場合は必ず周りのリンパ節にも転移しているので、これもできるだけ広く取り除く必要があります。
しかも、近くの臓器に癒着したり転移したりしていれば、その臓器も含めて合併切除することになります。
そうでないとガンを根絶できないからです。
こうして拡大手術、超拡大手術を行わなければならなくなるのです。
その点、医学の進歩は目覚ましいもので、麻酔の進歩と相まって、12、13時間かけての思い切った手術も行なわれるようになりました。
ただし、大手術になればなるほど、患者さんの体に負担が掛かるのは当然です。
手術のあとは体力が落ち、ストレスが加わり、免疫力が下がるのはやむを得ず、その回復が長引くと再発・転移を早めることにもなります。
そんなとき、できるだけガンを封じ込め、しかも全身の抵抗力を強化して、快適に手術を乗り超えることができれば、どんなにいいでしょう。
プロポリスがその願いを見事に実現してくれました。
プロポリスがあるとないのとでは、文字どおり「天国と地獄」の違いなのです。
さらに、食道ガンでお腹と胸を同時に開く大手術をしなければならないといわれた人が、大量のプロポリスを飲み続けたところ、内視鏡による切除術で済み、わずか6日間で退院してきたという幸運な臨床例もあります。
このように現在では、プロポリスの知識がかなり普及したせいか、手術前からプロポリスを利用する人たちが増え、術中、術後に驚くべき回復を示したという症例がたくさん出てきています。
それらの様子を見ていますと、明らかに全身の細胞や人体の機能を活性化し、免疫力(抵抗力)を強化したプロポリスの作用がよくわかります。
だから、不幸にも大手術をしなければいけなくなったら、手術の前からプロポリスを活用するのが賢明な策であることは確かです。
しかも、その延長線上にあるものとして、日頃からプロポリスを愛用し、手術を必要とするような病気を未然に予防するのが、さらに理想的であることはいうまでもありません。
プロポリスは、もともと健康補助食品なのですから……。
元々、ガン細胞は普通の細胞と同じ細胞です。
普通の細胞は、きちんと分裂をくり返して、古いものは捨て去り新しいものに入れ替えて生命を支えているのですが、この細胞がいったんガン化すると、無制限に分裂・増値して固い塊になります。
それが一日一日進行して、周りの正常な細胞をむしばみます。
血液ガンと呼ばれる白血病などでは、この異常な細胞のために骨髄内の正常細胞は駆逐されて、生命維持の働きがなくなる……
これが“ガン”なのです。
すると、細胞分裂を支配し指示しているのは遺伝子ですから、その遺伝子が害されて悪性細胞に変化する源になっているはずです。
発ガン物質、または変異原性物質というものが騒がれているのは、その遺伝子を傷つけるからです。
ところが、60億個ともいわれるDNAから形作られる遺伝子のどこにその源があるかを突き止めることが極めて困難なため、現代医学も難渋しているのです。
というわけで、現段階ではガン細胞をやっつけようとすれば正常細胞もやられるのは避けられません。
その結果として、様々な副作用に悩まされながら治療するしかないというのが、現代医学のジレンマであり 限界なのです。
そんな中にあってガン闘病を支え、見事に医学の限界を乗り越えさせたプロポリスの臨床例は次から次へとあとを絶ちません。
現に、ガンの手術に際し、前もってプロポリスを利用した人が示した数々の不思議に、大学病院の執刀教授が首をかしげている事実が続出しているのです。
そのほか、抗ガン剤の副作用でボロボロになっていたガン患者さんが、プロポリスを飲みはじめてからみるみる元気になり、再び抗ガン剤の治療を克服して、晴ればれと退院していくという症例も沢山あります。
特に、末期ガンとなり「あとは時間の問題です」と宣告されると、もはやどうすることもできません。
そんなとき、患者さんがもっとも苦しむのは“痛み”でしょうし、看護する家族も生きる屍。
ただ見守るだけという辛さはたまらないでしょう。
そんな中で、早晩ダメであったとしても、
『プロポリスのおかげで父の痛みがすっかりとれたので、ホッとしました。
食欲も出てきましたし、顔はピンク色になり、ベッドの上に座るようになりました。
そして前の日まで皆と話し、翌朝眠ったまま静かに息を引き取りました。
予想もできなかったきれいな顔でした……。
最後はどんなに苦しむだろうというのが、家族皆にとって恐怖でしたのに、こんな穏やかな別れができようとは。悔いはありません……』
といった家族からの便りが届きます。
大きな救いの一つです。
この方にとっては、病気のなすがままに朽ち果てたのではない、ガンに負けたのではない、最後の最後までガンと闘い抜いて見事にガンと引き分けた人生だったと言えます。
プロポリスを飲めばガンも怖くない!
このような沢山の症例を毎日見ていますと、ガンそのものの治療だけでなく、全身の治療がいかに大切かがよく分かります。
全身の活カと気力を充実し、免疫力を高め、医学の盲点や弱点をカバーしさえすれば、どんな難病にもいくらでも対抗できるという希望と勇気がわいてきます。
すると、そのうちに病気のほうが萎んでいく……、ということを実際に示し、教えてくれたのがプロポリスでした。
しかもプロポリスに含まれている多種類の抗ガン物質は、化学合成した抗ガン剤とは違い穏やかにガンを鎮めるはずです。
人の自然の細胞を復活させてくれるのは、自然の産物で、というわけです。
よく考えてみると、ガンといえども普通の人の細胞そのものです。
とすると、得体の知れないウイルスや異物に体中をかき回される病気よりは、変な言い方かもしれませんが、まだまだガンのほうが親しみやすい病気だとは思えませんか?
ですから、全身の力をしっかり保って、長い目でつき合っていけばいいわけです。
それを支えるのがプロポリスです。
するとガンと宣告されたからといってなにもオロオロする必要はないのです。
もともと体のどこかにガンができたとしても、それが直接生活を妨げる場所でない限り、ガンそのものだけで命を取られるのではありません。
いわゆるガンの未期になって、ガン細胞が全身に転移して多臓器ガンとなると、ガン中毒が起こり(悪疫質)、全身の衰弱が酷くなります。
こうして立ち木が朽ちて倒れるように最期を迎えるのがガン死です。
だから、ガンがあっても構わない。
全身のカと免疫力さえ確保してガン細胞の転移を防御してさえおけば、共存できるというわけです。
現に、ほかの病気で亡くなった老人を病理解剖してみると、その体のどこかにガンが巣くっていたというデータは少なくないといわれています。
というわけで、最新のガン医学治療を受けながら、その盲点や弱点をカバーし、しかも全身の活カと免疫力を強化するプロポリスを併用しさえすれば“ガンとて恐れる必要はない”といえるわけです。
このように医者の立場でありながら、私が強気なことをいえるようになったのは、まさしく次から次へと示される、あまりにもたくさんのプロポリスの症例を目の前にしたからなのです。
医学の限界を乗り越えたプロポリス-ガン闘病の奇跡
≪顔が崩れる恐怖からの生還≫
平成9年5月、ある夜のことでした。
「先生、助けてください!長男がたいへんなことになって……。どうにかならんでしょうか」
顔馴染みの患者・竹下さん夫婦が突然拉きながら相談に来ました。
ただただ泣きじゃくりながら、途切れ途切れに、それでも必死になって訴えたお二人の話をまとめると、次のようになります。
竹下さん夫婦のご長男である聖一さん(37歳・東京)は、建築設計の青年実業家としてやっと軌道に乗りはじめた矢先に、鼻粘膜におできができて治療をしていたところ、K大学病院耳鼻科で“神経内分泌細胞腫”と判明しました。
これは最悪性のガンで、放射線も抗ガン剤もまったく効かず、手術で取るよりほかありません。
ところが手術をするにしても、MRI断層撮影による診断では、そのガン細胞は鼻骨から右眼窩骨を侵しただけでなく篩骨洞にも浸潤し、さらに頭蓋底骨を突き破って脳硬膜まで伸びているので、脳にも及んでいるかもしれないということでした。
運よく手術が成功したとしても、鼻骨を全部取るので鼻はペシャンコになり、眼窩骨も取らねばならないので、右目の失明はやむを得ないという悲惨極まりない宣告だったのです。
いかに医学の現実とはいえ、あまりにも残酷すぎます。
しかも聖一さんは有望な若社長として晴れの舞台へ乗り出したばかりです。
竹下さん夫婦の絶望と悲嘆は見るも哀れでした。
「先生、代われるものなら私が手術を受けたい……」
と父親は泣き伏しました。……まさに地獄です。
ともあれ、まったく効果はなかったが一応放射線をかけたので、その副作用が治まるまで待つため、手術は1ヶ月後になるということです。
『よし!それならプロポリスがいい。最後のチャンスだ。
ガン手術の前から飲んで、驚くべき術中・術後の良好な結果を示した人が何人もいる。
きっとプロポリスが大きな味方になってくれるはずだよ』
医学の宿命は、いかんともしがたいとはいえ、どうにかしてこの過酷な苦痛を最小限にくい止めることができるようにと祈り、私はプロポリスの説明をしました。
その量を一応、一日45ml指定しましたが、これはあくまで自然の産物なので多く飲むほど本格的な作用が期待できるとつけ加えておいたところ、聖一さんは自ら進んで一日60mlを毎日飲み続けました。
その後、私は再三、大学病院を訪れて担当教授の説明を聞きましたが、悲惨な医学の見解に変わりはありません。
その足で聖一さんを見舞うと「先生!頑張ります!」とカ強い言葉が返ってきました。
大学時代、ラグビー部のキャプテンをしていたというだけあって、頑強な体つきをした彼は、さすがに気丈でした。
ただ一方では、それだけに過酷な手術の宿命が哀れを誘います。
「じゃあな、頑張るんだぞ」と握手をして帰るとき、ふっと彼の顔をよぎる悲痛な影がそれを物語っていました。
そして、いよいよ手術。
脳外科教授と耳鼻科教授がタイアップして10時間半にわたる大手術は終わりました。
……そのあと、両教授から聞いた説明に驚かされました。
『実に不思議としかいいようがないが、ガンが細かくまとまっていてポロポ口取れたので、脳はもちろんのこと、脳硬膜も無事だったし、鼻骨も眼窩骨も取らずにすんだ……』
というのです。
しかも鼻の手術は出血が酷いので、場合によっては別に首を切って動脈を止めることもあり得るし、輸血も2000ccを予定していたのだが、そのどちらも必要なかった……ともいいながら、しきりに首を傾げておられたといいます。
こうして、鼻の変形からも、右目の失明からも完全に免れた聖一さんは、まったく元の好青年そのまま!まさしく天国と地獄の違いです。
見事に医学の常識を打ち破ったのです。そのことは、
『若い人のガンは進行が極めて早いから、実は、手術でうまく取れるかどうかを一番恐れていたのだが、こんなに順調な手術ができたとは!』
と、正直に述懐された両教授の言葉がいみじくも物語っています。
そのあとは術後の経過も極めて良く、一週間目には外泊許可がおりました。
両親と一緒に挨拶に来た聖一さんの笑顔は光り輝かんばかり!
天使の光を見たようでした。
それから早くも1年半が過ぎました。
聖一さんは元気そのもの。再発も転移もありません。
この例だけを見ても、プロポリスの素晴らしい働きを十分知っていただけたと思いますが、そのほかにも私の手元には驚異的なプロポリスの症例が次から次へとあとを絶ちません。
プロポリスとはいったい何?
ミツバチは太古の昔から同じ生態系のまま生き続けており、“奇跡の生物”といわれています。
そのミツバチの作り出した貴重な資源が、ハチミツ、ロイヤルゼリー、プロポリスの3つなのです。
その中でもハチミツやロイヤルゼリーは栄養剤としてよく知られていますが、この2つに比べると、プロポリスはあまり知られていません。
プロポリスというのは、ハチミツや女王蜂、働き蜂などを外界から守るために、蜂の巣の壁にまんべんなく塗り込まれている蜂脂(ヤニ)のことです。
これは蜜を集める働き蜂とはまったく別の、プロポリスだけを作る“熟練”されたミツバチのグループがいて、樹液や花粉、新芽の成分エキスを集め、さらに自分の唾液やミツロウと混ぜ合わせて製造したものです。
蜂の巣の中で、あの甘ったるいハチミツが細菌にも侵されず、腐敗もせずに長年保存されているのは、このプロポリスが強力な殺菌作用で守っているからなのです。
いつも忙しく飛び回っているミツバチの生活を考えてみましょう。
蜜を集めてきた働き蜂は当然、外界のホコリやバクテリアやウイルスなどを体につけて帰ってくるはずです。
そして巣に何万とある小さな穴を出入りしているので、普通だったら巣の中は汚れてしまうはずですよね。
ところが、そうではありません。どうしてでしょうか?
実は、無数にあるその小さな出入り口の内側の壁にも、プロポリスがべっとりと塗り込まれています。
働き蜂たちは、その壁に自分の体をこすりつけながら入っていきます。
まさしく消毒しながら、“滅菌室”に人っていくのと同じなのです。
こうして大昔から蜂の巣は滅菌室を保ってきたのですが その大役を務めていたのがプロポリスだったのです。
さらに、ときには巣内に迷いこんだ昆虫や、ミツバチの死骸もありますが、これらの巣外に運び出せない大きなものは、すっかりプロポリスで包み込まれて完全にミイラ化され、巣内の汚染が防がれています。
古代エジプトのミイラにも、このプロポリスの殺菌・防腐作用が利用されていたといいます。
あのバイオリンの名器ストラディバリウスのニスにプロポリスが混ぜられているというのも同じ目的でしょう。
プロポリスから初の“抗ガン物質”を発見
このような素晴らしいプロポリスですから、人類は古来から利用してきました。
すでに紀元前の古代ギリシャ時代から、怪我や火傷、皮膚炎などに良い作用があるということで用いられていたのです。
『プロポリス』という名称は、ギリシャ語のプロ(前)とポリス(都市)とを合わせて“都市を守る城壁”という意味で命名されたものです。
その名はなんと2200年前、「万学の祖」といわれたアリストテレスの『動物記』にも記されています。
野戦病院もない時代でしたから、戦場に向かう兵士たちには必ず持たせた貴重品だったといわれています。
しかし、その成分分析がとても難しいので、長い間忘れられてきました。
プロポリスは、もともとルーマニアやハンガリーなど東欧諸国を中心に研究されていたのですが、近年になって日本でもその成分分析が急速に進んだので再び注目されるようになり、健康補助食品として厚生省の認可を得たのです。
特に1991年、国立衛生予防研究所の松野哲也博士が世界で初めて、その中から3種類の抗ガン物質を分離解明し、日本ガン学会総会で発表したことからプロポリスは一躍脚光を浴びました。
この論文は、その後、国際ガン学会やアメリカのガン学会でも発表されて大きな反響を呼んでいます。
その後もさらに、沢山の種類の抗ガン成分が発見されたりしたので、プロポリスはますます注目されるようになってきたのです。
ただ、松野博士は「これらプロポリスから抽出された抗ガン物質が幸いにして製品化されたとしても、必ず天然のプロポリスと一緒に飲んでほしい」といいます。
それだけ免疫力の強化をはじめとして、人体を活性化する多種多様の作用を有するプロポリス全体の価値は、絶対に捨てがたいというわけです。
「天然薬理物質の宝庫」プロポリス
ではそんなに幅広い作用を示すプロポリスには、どんな成分が含まれているのでしょうか?
私たちの共同研究者である薬学者はこう言っています。
『プロポリスなんて、えらいものに首を突っ込んだもんだ。
その成分を分析すればするほどに何千、何万種類の有効成分が含まれているのか、まったく見当がつかない。
プロポリスはまさに“天然薬理物質の宝庫”だよ』
たしかにプロポリスには各種のビタミン類や電解質をはじめ、フラボノイド(フラボン骨格をもった天然物質)を中心にした生理・薬理物質が200種類ほどの成分が分析されていますが、それらは氷山の一角にすぎないというのです。
しかも、プロポリスの先駆者であるヨーロッパでは何千年にもおよぶ歴史の中で、その成分の主役はフラボノイドとされてきました。
しかし、今や日本の研究家たちによって、抗ガン物質をはじめとしてフラボノイド以外の新しい主役が次々と発表されており、プロポリスの新しい歴史が日本において開拓されつつあることは心強い限りです。
ですが、いずれにせよプロポリスの働きは、それぞれの成分による単一な作用よりも、その数知れないほど沢山の成分の相乗作用によるものと考えるほうが自然でしょう。
さらにミツバチが、世界最後の大自然といわれるブラジルにおいてその過酷な環境を生き抜いてきた樹木を防御している樹液や、生命力あふれる若芽などを集めて作ったことを思えば、人体に活力を与えるのもうなずけます。
しかもプロポリスは、それらの植物性薬理成分だけではなく、酵素(細胞生命の支配者)や抗体(免疫力)をふんだんに含むミツバチの唾液という動物性成分で混ぜ合わせて作り上げられているのが、ほかでは見られない独特なところです。
だから人体にも馴染みやすいのだろうと注目しているのです。
医学臨床現場でプロポリスの驚くべき効用
なぜプロポリスは、そんなに素晴らしい効用を発揮するのでしょうか?
病気というのは単純に一つの原因ではなく、複雑な要因が重なってくるので区分するのは難しいのですが、分かりやすくするためにプロポリスの作用がどのような病気に利用されてきたか、第一線臨床医の経験から分類し、代表的なものを挙げてみましょう。
・殺菌・抗菌作用……口内炎、歯周炎、肺炎、膀胱炎、腹痛、火傷、怪我など
・抗ウイルス作用……B型・C型ウイルス性肝炎、風邪、インフルエンザなど
・消炎作用……アルコール性肝炎、慢性副鼻腔炎、慢性膀胱炎、慢性膵炎など
・抗ガン・免疫力強化・抗ガン剤副作用除去作用……胃ガン、食道ガン、肝ガン、肺ガン、大腸ガン、子宮ガン、卵巣ガン、悪性リンパ腫、白血病など
・抗アレルギー・免疫調整作用……アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、花粉症、喘息、リウマチ、膠原病など
・血管強化・血流調整作用……高血圧症、低血圧症、貧血、脳梗塞後遺症、痴呆、冷え性、脱疽、褥瘡など
・内分泌・代謝改善作用……糖尿病、肥満、るいそう、痛風、生理痛、更年期障害など
・ストレス緩和作用……自律神経失調症、心身症、燃えつき症候群、肩こりなど
・組織再生作用……胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、手術後回復など
・活性酸素消去作用……ガン、老化防止など
・鎮痛作用……神経痛、関節痛、帯状へルペス、ガン末期など
このような作用とその成分については、すでに東欧の科学者により数多く発表されていますが、実際に沢山の症例を見ていますと、まったくそのとおりの様子がよくわかります。
プロポリスについては従来、主に東欧諸国においてヨーロッパ産プロポリスで研究が進められてきましたが、今や日本においてブラジル産プロポリスを主体に新たな実験結果が次々と発表され、なお一層強力な作用や新成分が発表されています。
まず松野哲也博士が3種類の抗ガン成分、「ケルセチン」「カフェイン酸フェネルエステル」「クレロダン系ジテルペン」(1991年)を発見したのを皮切りに、林原生物化学研究所のグループは「アルテピリンC『C-3』」(1995年)を発見しました。
これらは、いずれもガン遺伝子レベルで解析されたものです。
すなわち、ガン細胞は、静止期(G1期)→遺伝子合成期(S期)→間期(G2期)→分裂期(M期)を経て増殖・進行するのですが、プロポリスはガン遺伝子が分裂する前段階のS期に働きかけてガン細胞を死滅させることが観察されたのです。
その後、松野博士と栄研化学は、ほかにも3種類の抗ガン成分の構造式が判っているといいますし、国立富山医科薬科大学でも新たな抗ガン成分が分離解明されています。
こうして、プロポリスの中には7、8種類の天然抗ガン物質が確認されたことになりますが、各研究家によれば、この他にも類似した成分がまだまだ沢山あるといわれているので、ますます期待は高まるばかりです。
それだけではありません。
【皮膚ガン、大腸ガンの発ガン防止】(松野博士)、【大腸ガンの肺転移抑制効果】(林原生物化学研究所)、【腹膜ガンの発生防止】(鈴鹿医療化学技術大学)などの動物実験結果も相次いで発表されました。
加えて【マクロファージ(免疫細胞)機能活性化作用】や【サイトカイン(インターフェロン)誘導能】(林原生物化学研究所)など、プロポリスの免疫力強化に関するデータも次々に報告されています。
このようにプロポリスは「抗ガン作用」「ガン転移抑制作用」「発ガン防止作用」「免疫力強化作用」などが、多角的・総合的に作用するので、ガン患者さんの臨床例において驚異的な効用を示すのもうなずけるわけです。
しかもプロポリスに含まれるこれらの成分は、すべて正常細胞には影響を与えないことも実験で確認されています。
これは副作用の心配がまったくないことを示しており、臨床医学にとって得がたい大きな魅力です。
まさに自然の産物ならではの恩恵というべきでしょう。
プロポリスでガンや難病が改善する理由
≪フィトンチッドとフラボノイドの優れた作用≫
樹皮や本の精油成分から発散されるフィトンチッドの中の主成分であるテルペン系物質には、鎮静作用、抗菌作用、抗炎症作用、抗ガン、殺ガン作用、組織再生作用などが認められています。
松野哲也博士が、3種類のクロレダン系ジテルペン物質に殺ガン作用のあることを発見したのですが、これもテルペン系物質、すなわちフィトンチッドの成分なのです。
またカープ博士は大平洋沿岸諸国に生えている、イチイの樹皮から抗ガン剤を発見しています。
次に、プロポリスには20種類以上のフラボノイドが含まれているといわれていますが、これらに共通したものにSOD作用(抗酸化酵素)があります。
SOD作用について簡単に説明しましょう。
SOD作用とは、細胞の酸化を防ぐという意味です。
体内に入った細菌、ウイルス、大気汚染物質などをマクロファージ(大食細胞)が補えると、これらを消化するために“活性酸素”というものを出します。
ちょうど、クモが昆虫を捕えてから毒を刺すようなものです。
しかし、活性酸素が多くなると近くの細胞を酸化して痛めつけ、細胞の核にある遺伝子に傷をつけます。
遺伝子を傷つけられた細胞は、ガンやいろいろな病気にかかりやすくなります。
細胞が酸化されるとガン細胞が目を覚ますわけですが、そこでフラボノイドがこの酸化を防ぎ(SOD作用)、ガンが日覚めないようにするのです。
そのうえ、フラボノイドはタバコのタールをもうまくなだめてくれます。
実はタバコのタールは、“発ガン仕掛け物質”でもあり“発ガン促進物質”でもあるという大変厄介な代物で、遺伝子に変化を起こさせ、ガンを作るともいわれているのです。
フラボノイドは先手を打って、タールが細胞に吸収されないようにする作用を持ち合わせているのです。
ドイツのキール大学教授ベント・ハブステン(生化学)は、『フラボノイドの生化学的効果』という論文を発表していますが、その中で次のように述べています。
タールが細胞に吸収されないようにするためには、まずタールを水溶性にする必要があります。
そうしないとタールを外へ押し流してしまえないのです。
ところが、ここで1つ問題があるのです。
タールを水溶性に変える酵素は途中でエポキシドというものを作ってしまいますが、これが結果的にガンを作る手助けをしてしまうのです。
そこで、フラボノイドが登場します。
フラボノイドはガンを生み出すエポキシドをやっつけ、タールを外に排出するようにしてくれるというわけです。
またフラボノイドは、数々の有害な重金属から私達を守ってくれます。
ある程度の量の有害な重金属(水銀、鉛、カドミウム、ニッケルなど)が、空気や食べ物から私達の体内に入るのはどうしても避けられません。
そして、それらがイオンの形をしていると、細胞内にくっつきやすく、発ガンの危険が高くなるといわれています。
しかし、フラボノイドには大部分の重金属と強く結合する作用があります。
いわば悪者をがっちり捕えてしまうのです。
そして、そのまま悪者を外に出してくれるので、危険を避けることができるのです。
そのほか、数多くの医学者たちがフラボノイドの効果を明らかにしてきました。
例えば、1961年に東欧のベービン、1969年に同じく東欧のラヴィナたちが、動物実験を行ってプロポリスの主成分であるフラボノイドに腫瘍を抑える作用があることを認めました。
また、1969年にパリで開かれたフラボノイドに関するシンポジウムでも、腫瘍に対する効果が発表されました。
フラボノイドによってウイルスの働きが抑えられるとか、フラボノイドがガン細胞の代謝を邪魔して死滅させるという研究発表でした。
そして1991年、国立予防衛生研究所の松野哲也博士は、プロポリスに含まれる3種類のクロレダン系ジテルペン物質(分子量320)が、増殖の盛んなガン細胞を死滅させることを発見し、第50回日本ガン学会総会で発表しました。
さらにこのクロレダン系テルペン物質に含まれるカフェイン酸フェネチルエステルやビタミンPの主成分ケルセチンに、抗ガン作用があることを認めました。
一方、カナダのトロントのジェームス・デニス博士は、ある種のフラボノイドに含まれている植物アルカロイド=エンソニンという物質が、ガン細胞増殖に必要なBl~6分岐型オリゴ糖(少糖類または寡糖類ともいう。水に溶け、酸または酵素によって単糖類に分解される。自然に分布する重要な炭水化物)の合成を阻止することを発見しました。
デニス博士は同時に、フラボノイドをインターフェロンと併用すると、高い確率でガンが治癒したと報告しています。
まさに自然療法と病院での通常療法の併用です。
また、ある種のフラボノイドに含まれるベンズアルデヒドは、増えてしまったガン細胞を栄養不良の状態にして死滅させるということです。